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令和の世に生まれた前時代の亡霊。
というわけで今回は個人的に2019年度ワーストモデルだったトミカプレミアムRS版R34GT-Rです。
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トミカプレミアムシリーズの1/43版として誕生したトミカプレミアムRSですが、第一弾のランボルギーニカウンタックLP500Sはプロポーション・ギミックともに優れた良作でした。
期待された第二弾はR34スカイラインで、令和になった2019年夏に発売されましたがそれは期待の外れた中途半端な代物でした。

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カウンタックの成功はそれなりに良好なプロポーションに組み込まれた開閉ギミックにありましたが、R34ではプロポーションの維持のためということで開閉アクションはドアのみとなりました。
確かに過去のダイヤペットや京商のように1/43にボンネット開閉ギミックを付けるとその分オーバーサイズとなりフロントが肥大化するというのは一理ありますが、このシリーズの一番の売りはギミックなのにそれを自ら手放すのは愚策としか言いようがありません。

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それにそこまでプロポーション(笑)にこだわるのであれば、ドアミラーくらいはつけて欲しい所です。
対象年齢がトミカ並みならともかく、14歳以上なのにミラーを付けないのは単純にコスト削減にしか映りません。
あとドアの作りも前時代的で、むしろ安っぽくなるだけですので開閉しない方がマシだったかもしれません。

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このミニカーを例えるならトミカプレミアムをただ拡大しただけという話をどこかで聞きましたが、言い得て妙だと思いました。


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もちろんいい所もあり、全体的なプロポーションは良く前後のグリルもバランスよく仕上がっております。特にヘッドライトやグリルのエンブレムの作りはかつてのダイヤペットやエムテックと比べても技術の進歩を感じます。
(比較対象が20年前のミニカーの時点でアレですが)

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後メーカーからの売りとしてはトミカとしては初となるブレーキパットとドアの窓ガラスの再現だそうですが、20年前のエブロでもしていることを今更売りにされても正直困ります(汗)
ただ、リアのディフーザーが別パーツになっていたのは地味に好感持てました。

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このモデルを見ていると、かつてのダイヤペットやエムテックが衰退した理由が良く分かります。
2000年前後を境に1/43ミニカーの需要は2極化され、安さか高くても出来がいいモデルを求めるようになりました。
エムテックやダイヤペットのような半端な出来で半端に高いミニカーは見向きもされなくなり、前者は撤退し、後者は乗用車を捨て子供向けの特車に特化する形で生き残りました。
あの当時エムテックコレクターだった管理人には悲しい流れでしたが、20年たった今同じ愚行を繰り返すメーカーがいるとは思いませんでした。

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ベイサイドブルーとミレミアムジェイドの2色が同時発売されましたが、どちらもワゴン行きの今の惨上を見る限りこれ以上のバリエーションは増えないものと思われます。

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思うにこのモデルの最大の失敗は、モデルカーとしては飽和状態で目新しさの無いR34を選択してしまったことにあると思います。
そんなR34で出す以上は何かしらの興味を引く売りが必要だったのに、出たのがドアミラーすら無くギミック・プロポーション共に半端なミニカーでは最初から勝負になりませんでした。
もしこれがランボルギーニやフェラーリ(1/43で出せるのかは知りませんが)等のスーパーカーもしくは同じR34でもZ-tune等のチューニングカー系でしたら、同じ内容でも多少はマシだったかもしれません。

ちなみに第三弾としてトヨタ2000GT(後期型)が発売されましたが、コンセプトがR34と全く同じな為、このモデルの売れ行きでこのシリーズの命運が決まりそうな感じです。


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